
【この記事の結論】
- 夏の髪は「紫外線」「海・プール・汗」「冷房の乾燥」の3つで、表面のキューティクルも内側のタンパク質も傷んでいる。その影響が目に見えてくるのが9月から10月
- 秋は気温と湿度が落ち着き、ケアの効果が出やすい季節。冬の乾燥が本格化する前に、夏のダメージをリセットしておくと冬の髪が楽になる
- リセットケアの基本は「傷んだ毛先を切る」「トリートメントで内側を補修する」「頭皮を整える」の3つ。自宅では洗い方・乾かし方・保湿を見直す
こんにちは。上野・新御徒町の美容室 in spite hair design(インスパイト ヘア デザイン)、スタイリストの川部です。
秋に入ってから、「夏のあいだに髪がパサついて、まとまらなくなった」「毛先がゴワついて指が引っかかる」「カラーの色落ちが早くなった気がする」というご相談が一気に増えます。これは、夏のあいだに蓄積したダメージが、気温と湿度が下がるこの時期に表面化してきたサインです。
この記事では、美容師歴20年の立場から、夏の髪に何が起きているのか、秋にリセットケアを始めるべき理由、サロンと自宅でそれぞれ何をすればよいかを順番に解説します。冬の乾燥が本格化する前に、ぜひ髪の立て直しを始めてください。
夏の髪はどれだけ傷んでいる?3つのダメージ源
夏の髪は、本人が感じている以上に過酷な環境に置かれています。主なダメージ源は次の3つです。
1. 紫外線によるキューティクルと内部タンパク質の損傷
髪は肌と違って、紫外線を浴びても赤くなったり痛みを感じたりしません。そのため気づきにくいのですが、紫外線は髪の表面を覆うキューティクルを傷め、さらに内部のタンパク質の結合を切ってしまいます。その結果、髪の水分が抜けやすくなり、パサつき、ツヤの低下、枝毛や切れ毛につながります。カラーをしている方は色素も壊れるため、色落ちが早くなり、赤みや黄みが出やすくなります。
2. 海水・プールの塩素・汗によるキューティクルの開き
海水は乾くと塩の結晶になって髪の水分を奪い、プールの塩素はキューティクルを開かせて内部の成分を流出させます。海やプールに行かなかった方でも、汗をかいたまま時間が経つと頭皮の皮脂が酸化し、頭皮環境が乱れます。この夏に海やプールへ行った方は、海・プール後の髪ダメージ対策の記事もあわせてご覧ください。
3. 冷房による乾燥と、濡れた髪のまま過ごす習慣
冷房の効いた室内は、冬と同じくらい空気が乾いています。長時間いると髪の水分は空気中に奪われ続けます。さらに夏は「暑いから自然乾燥でいい」とドライヤーを省く方が増えますが、濡れた髪はキューティクルが開いて非常にもろく、濡れたまま寝たり摩擦を受けたりすると、ダメージが大きく進みます。
秋に出てくる「夏ダメージ」のサイン チェックリスト
次のような変化を感じていれば、夏のダメージが残っている可能性が高いです。原因と、まず何をすべきかを表にまとめました。
| 気になるサイン | 主な原因 | まずやること |
|---|---|---|
| 毛先がパサつく、広がる | 紫外線と乾燥で水分が抜けている | 毛先のカットと保湿トリートメント |
| 指通りが悪い、ゴワつく | キューティクルがめくれて表面がザラついている | 洗い流さないトリートメントで表面を整える |
| 枝毛・切れ毛が増えた | 内部タンパク質の損傷が進んでいる | 傷んだ部分を切り、内部補修トリートメント |
| カラーの色落ちが早い | 紫外線とキューティクルの開きで色素が流出 | 褪色ケアと、必要ならリタッチ・カラー |
| 抜け毛が増えた、頭皮がベタつく・かゆい | 汗と皮脂で頭皮環境が乱れている | シャンプーの見直しと頭皮ケア |
なお、秋に抜け毛が増えたと感じる方は多いですが、季節的な要因もあり、ある程度は自然な変化です。ただし頭皮のベタつきやかゆみを伴う場合は、夏の皮脂汚れが残っているサインなので、頭皮ケアを優先してください。
秋が髪の「リセット」に最適な理由
秋にリセットケアをおすすめするのには、3つの理由があります。
気温と湿度が落ち着き、ケアの効果が定着しやすい
夏は汗と皮脂、湿気で、トリートメントの成分が流れやすい季節です。秋は空気が落ち着くため、補修した成分が髪にとどまりやすく、同じケアでも効果を実感しやすくなります。
冬の乾燥が始まる前に土台を作れる
11月以降は空気の乾燥が本格化し、静電気や広がりの悩みが増えます。夏のダメージを残したまま冬を迎えると、乾燥ダメージが上乗せされて、春まで髪が落ち着かない状態になりがちです。秋のうちに補修しておくことが、冬の髪を守る一番の近道です。
秋冬の暗めカラーやスタイルチェンジに向けた準備になる
秋はカラーを暗めに変えたり、長さを整えたりする方が増える季節です。傷んだ髪にカラーを重ねると色ムラや褪色の原因になるため、先に髪のコンディションを整えておくと、次のカラーの仕上がりと色持ちが良くなります。
サロンで行うリセットケア 3つのステップ
in spite hair design では、夏のダメージが気になる方に、髪の状態を見ながら次の3つを組み合わせてご提案しています。
ステップ1. 傷んだ毛先をカットで整える
一度切れたり裂けたりした毛先は、トリートメントでも元には戻りません。枝毛や切れ毛が目立つ部分を1〜2センチ整えるだけで、まとまりと手触りは大きく変わります。長さを変えたくない方でも、毛先の傷んだ部分だけを整える調整は可能ですので、ご相談ください。
ステップ2. トリートメントで内側から補修する
紫外線で失われたタンパク質と水分を補い、キューティクルを整えます。ダメージの程度によって、手触り重視の軽いものから、髪質改善を目的とした集中ケアまで選べます。「何をしても毛先が落ち着かない」という方は、内部補修型のメニューをおすすめしています。
ステップ3. 頭皮を整えて、これから生える髪の土台を作る
夏に乱れた頭皮環境をそのままにすると、秋から冬に生えてくる髪の質に影響します。頭皮の汚れをしっかり落とし、保湿することで、新しく生える髪が健康な状態で育つ土台になります。
リセットケアに使えるメニューと料金
夏のダメージケアによく選ばれているメニューです(税込)。
| メニュー | 料金(税込) | こんな方に |
|---|---|---|
| 骨格矯正シェイプカット(シャンプー・ブロー込) | ¥5,500 | 毛先の傷みを整えて、まとまりを取り戻したい |
| アミノ酸ファイバートリートメント | ¥5,000 | パサつきが気になる、手触りを良くしたい |
| 髪質改善トリートメント(in spite オリジナル) | ¥8,000 | 枝毛・切れ毛が増えた、内側からしっかり補修したい |
| 髪質改善ヘアーエステ(in spite オリジナル) | ¥14,000〜 | ダメージが強い、くせや広がりもまとめて整えたい |
メンズの方は、メンズ骨格矯正シェイプ ¥5,000 にトリートメントを組み合わせるのがおすすめです。詳しい料金は料金メニューのページでご確認ください。黒染め・ブリーチ・ホームカラー・縮毛矯正の履歴がある方は、ご予約時にお伝えいただくと、当日のご提案がスムーズです。
自宅でできるリセットケア 5つの習慣
サロンでのケアと並行して、毎日の習慣を見直すとリセットの効果が長持ちします。どれも今日から始められるものです。
1. シャンプー前のブラッシングと予洗いで汚れを落とす
乾いた状態で毛先から優しくブラッシングし、ほこりや皮脂を浮かせます。そのあと38度前後のお湯で1〜2分、頭皮までしっかり予洗いしてください。これだけで汚れの大半は落ち、シャンプーの泡立ちも良くなります。洗い方の詳細は正しいシャンプーの仕方の記事にまとめています。
2. タオルドライは「こすらず、押さえる」
濡れた髪はキューティクルが開いていて、こすると簡単に傷みます。タオルで髪を包み、押さえるように水分を吸い取ってください。毛先はタオルで挟んで軽く握る程度で十分です。
3. ドライヤーは根元から、仕上げは冷風で
自然乾燥は避け、根元から順に乾かします。8割ほど乾いたら、毛先を手ぐしで整えながら仕上げ、最後に冷風を当てるとキューティクルが閉じてツヤが出ます。乾かし方の手順は髪の乾かし方・ドライヤーの当て方の記事をご覧ください。
4. 洗い流さないトリートメントで水分とツヤを補う
タオルドライ後、ドライヤーの前に毛先を中心になじませます。夏のダメージが残っている髪には、補修成分が入ったミルクやセラムタイプが向いています。乾いたあとのパサつきが気になる場合は、少量のオイルを毛先に重ねてください。当店では、ミルボン「エルジューダ サントリートメント セラム」(UVカットと補修成分を兼ねた洗い流さないトリートメント)と、ナプラ「N. ポリッシュオイル」(ツヤと保湿のヘアオイル)を取り扱っています。
※アイテムは取り扱い状況が変わることがあります。詳しくはスタッフまでご相談ください。
5. 寝る前に髪を乾かし、摩擦を減らす
髪が濡れたまま寝ると、枕との摩擦で一晩で大きく傷みます。必ず乾かしてから寝ること、ロングの方はゆるくまとめることで摩擦を減らせます。
秋にやりがちなNG習慣
よかれと思ってやっていることが、夏のダメージを長引かせている場合があります。
- 熱いお湯で洗う:40度を超えるお湯は頭皮の皮脂を取りすぎ、髪の水分も奪います。38度前後が目安です
- トリートメントを頭皮までつける:毛穴詰まりやベタつきの原因になります。トリートメントは中間から毛先に
- オイルをつけすぎる:重さでぺたんとし、頭皮の汚れも落ちにくくなります。毛先に1〜2滴から始めてください
- 傷んだ毛先を切らずにケアだけで何とかしようとする:裂けた毛先は上へ上へと広がります。早めに切った方が、結果的に長さを守れます
- 紫外線対策を秋にやめる:秋の紫外線は夏より弱いものの、ゼロではありません。帽子やUVカット効果のある洗い流さないトリートメントは秋も続けてください
夏のダメージケアに関するよくある質問
Q. 夏のダメージは、トリートメントだけで治りますか?
A. 髪は一度傷むと自然には治らないため、トリートメントは「補修して扱いやすくする」ケアです。枝毛や切れ毛になった部分は、カットで取り除くのが一番確実です。カットとトリートメントを組み合わせると、見た目と手触りの両方が整います。
Q. リセットケアはどのくらいの頻度で通えばいいですか?
A. ダメージが強い方は、最初の1〜2か月は3〜4週間に一度トリートメントを重ねると、髪の状態が安定しやすくなります。落ち着いてきたら、カットのタイミング(1.5〜2か月に一度)に合わせて続けるのがおすすめです。
Q. 秋にカラーもしたいのですが、ダメージケアと同時にできますか?
A. できます。当店のカラーメニューには内部補修のトリートメントが付いているので、色を変えながら同時にケアが可能です。ダメージが強い場合は、カラーの前にトリートメントで髪を整えてから染めることで、色ムラや褪色を防げます。色持ちについては秋のヘアカラーの色落ちと色持ちケアの記事も参考にしてください。
Q. 秋になって抜け毛が増えました。夏のダメージが原因ですか?
A. 秋は季節的に抜け毛が増えやすい時期なので、多くは一時的な変化です。ただし、夏の汗や皮脂で頭皮環境が乱れていると、抜け毛が長引いたり、新しく生える髪が細くなったりすることがあります。頭皮のベタつきやかゆみがある方は、シャンプーの見直しと頭皮ケアを早めに始めてください。
まとめ:秋のうちに夏のダメージをリセットして、冬の髪を守る
夏の髪は、紫外線・海やプール・冷房の乾燥で、表面も内側も傷んでいます。そのダメージが見えてくる秋こそ、立て直しのベストタイミングです。
- 枝毛・切れ毛になった毛先はカットで整える
- トリートメントで失われた水分とタンパク質を補う
- 頭皮を整えて、これから生える髪の土台を作る
- 自宅では洗い方・乾かし方・保湿を見直し、濡れたまま寝ない
「自分の髪にはどのケアが合っているのか分からない」という方は、髪とダメージの状態を見てご提案しますので、お気軽にご相談ください。
in spite hair design は、都営大江戸線 新御徒町駅A2出口から徒歩1分、JR上野駅・御徒町駅から徒歩5分の美容室です。営業時間は10:00〜20:00、月曜定休。お子様連れ・男性のお客様も歓迎しています。
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この記事を書いた人
川部 真佐臣(かわべ まさおみ)
in spite hair design トップスタイリスト。美容師歴20年。骨格や髪質に合わせた骨格矯正シェイプカットと、髪質改善トリートメントを得意としています。
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